ポーランドでのコンサートを終えてストラスブールへ戻ってきました。

ポーランドの人々はとても暖かく私達を迎えてくれました。どこにいってもみんな親切で心暖かい人々です。ただし運転マナー以外です!この国での車の運転は地獄のようでした。でもポーランド大好きです。

8月6日はワルシャワ郊外の Milanowek という町の文化センターでした。大嵐になって雷鳴轟く中での革命のエチュードは私にとっても聴衆にとっても忘れがたい魂の叫びになりました。コンサート後のレセプションで市長さんが、第二次大戦中この街の教会にショパンの心臓が疎開していたのですよ、と話して下さいました。この前日、ショパンの心臓が納められている聖十字架教会を訪ねたところでした。このコンサートの当日はショパン博物館でたくさんのショパンの魂に触れ、もう2月からショパンリサイタルを続けているのに何かいつもと違う感覚が演奏中にありました。ポーランド、ワルシャワで弾くという感慨もありましたけど、何かもっとスピリチュアルなものを感じました。

8月7日はショパンの生家を訪ねました。家そのものよりもその環境がすばらしい公園でした。ショパンの愛したŻelazowa Wolaの自然や木々をながめて思いは遠いショパンの子供時代をたどりました。私にとってはコンサートの合い間の安らぎの時間になりました。一緒に行ったポーランド人の友人、グラジーナも訪ねたのは初めてと言って公園をすっかり気に入って散歩しました。実はこの生家でコンサートができることになっていました。約束して下さったグラジーナのおじさまのお友達が心臓発作で倒れてしまいこの企画は夢になってしまいました。でもいつか実現する日が来るかもしれません。グラジーナがあまり悲しむので私の方が慰め役になりました....

8月8日、ワルシャワ郊外のPodkowa Leśnaにある広大な公園の中のヴィラで演奏しました。私は少し熱があり良いコンディションではありませんでしたが最初のop.1 のロンドからとても自然で気負いもなく、外まで溢れ出て熱心に聞いてくれている超満員の聴衆と完全に一体になって、今までで一番満足の出来る演奏になりました。実はこの日リハーサル中、子供を連れた若いお母さんと一人のあばあさんが熱心に聞いていました。私はこういう場所では誰が聞いててもかまわないのです。ところがこのおばあさんが泣き出して、最初はわからなかったのですがだんだん感極まって泣き出して、ついに私のところに走りより自身の胸を指差して何かポーランド語で言いながら私の腕や肩、ほお(全部右側です、もちろんね)にキスの雨を降らしてきつく抱きしめられてしまいました。私は何を言われたかわかりました。ショパンの魂が聞こえたと言ったのでしょう。私も感動してもらい泣きしてしまいました。この後の練習は涙が止まらなかったのです。この感動と風邪の熱が融合したのかしら?この若い子連れのお母さんはコンサートもご主人と聞いていたようで、終わった後でおずおずと私に近づいて、美しいフランス語でとでもすばらしい演奏で忘れられません、ありがとう、と言ってくれました。私にとって忘れられないコンサートになりました。この主催者のHPに載った写真です。

この後少しばかりヴァカンスを楽しみました。グダンスクを訪ね、そしてリトアニア国境そばのスワオキ近郊の湖のほとりで村祭りを見たり泳いだり....35℃から38℃くらいまで気温が上がり本当に暑かった。

この街から一人で1500キロ以上2日がかりで運転して帰って来たストラスブールが16℃でした。また喉が痛いです....